プール熱とは


正式名は「咽頭結膜熱」といいます。。プールの水を介して伝染することがあるため俗称で「プール熱」と呼ばれています。実際にはプールに入らなくても咳、くしゃみ等から飛沫感染することも少なくありません。おもに6月頃から増加しはじめ、7〜8月に患者数のピークを迎えます。約8割が5歳以下の小児となっており、特に2〜4歳児が感染しやすいです。




☆原因
咽頭結膜熱の多くはアデノウイルスの主に2型、型、型による感染症です。乳幼児の急性気道感染症の10%前後がアデノウイルス感染症といわれています。アデノウイルスは小児のウイルス感染症としては一般的です。アデノウイルスの感染は必ず咽頭結膜熱の症状をきたすという訳ではなく、扁桃炎、肺炎などの呼吸器疾患、胃腸炎などの消化器疾患、出血性膀胱炎などの泌尿器疾患から、肝炎、膵炎、脳炎などにいたるまで様々な臨床症状を起こす可能性があります。




☆症状

39〜40度の高熱が4〜5日続き、のどの痛みが強く(咽頭炎の症状)、目が赤く、めやに(結膜炎の症状)がでます。さらに腹痛、下痢などを伴うこともあります。




☆治療法

特効薬はなく、症状をおさえる対症療法が中心になります。熱やのどの痛みをおさえる薬(解熱鎮痛剤)を使うことが多いです。眼科症状が強いときには、眼科的治療が必要になることもあります。家庭では、水分(イオン飲料など)を十分に取らせてあげて下さい。のどの痛みが強いため食欲が減退し、酸味や塩分の高いものは嫌います。




☆予防法
流行時にはうがいや手洗いの励行が大切です。便にもウイルスがいますので、排泄後、オムツ交換後の手洗いは重要です。めやにからの感染もあるのでタオルの共有はやめましょう。プールを介しての感染については、水泳前後のシャワー、洗眼、プール水の消毒を徹底します。