手足口病とは


手足口病とは、口腔粘膜や四肢末端に現われる水疱性の発疹を主症状とした、幼児を中心に流行する急性ウイルス性感染症のことをいいます。ヘルパンギーナとともに夏かぜの代表的な疾患の一つです。



☆原因
手足口病は、ウイルスに感染することで起こります。原因となる主なウイルスは、エンテロウイルスのコクサッキ−A16(CA 16)やエンテロウイルス71(EV 71)ですが、その他のエンテロウイルスによっても引き起こされることがあります。いずれのウイルスであっても現れる症状は同じであり、流行の中心となるウイルスの種類はその年によって異なることが認められています。
感染経路は、飛沫感染や経口感染によって引き起こされます。感染してから発症するまでの潜伏期間は3〜7日といわれています。主な症状が消失した後も3〜4週間は糞便中にエンテロウイルスが排泄されることがあり、回復した後も長期間にわたってウイルスが排泄され、感染源となることがあります。
一度発症すると終生免疫を獲得します。しかし、エンテロウイルスは多くの種類に分類されるため、異なる型のウイルスによって何度も手足口病にかかることがありますので注意が必要です。




☆症状

主な症状は、口腔内および手足に現われる水疱性の発疹です。口腔内では口腔全体に発疹がみられ、水疱となって潰瘍を形成して4〜6日で治癒します。手の発疹においては手のひらが最も多く、次いで手背部、肘に多くみられます。足においては足の裏、足の背部、膝で多くみられます。水疱は時間の経過と共に乾燥して治癒します。発病初期に38℃前後の発熱を伴うこともあります。発熱は1〜4日間程度で下がります。



☆治療法

手足口病に対する特効薬はありません。治療としては、高熱に対して解熱剤が使われたりします。
口腔内の発疹のため十分な飲食ができず、脱水状態をおこしやすいので水分補給には気をつけてください。刺激物は避け、あまり噛まなくて良い消化の良い食物を与えてあげてください。オレンジジュースなど柑橘系のジュースは酸味があるので避けたほうがいいです。熱くないミルク・牛乳が比較的痛みが少なく摂取できる場合もあります。




☆予防法

手足口病の主な原因ウイルスであるエンテロウイルスは、主症状から回復した後も長期間(2〜4週間)にわたって便から排泄されます。また、ウイルスが身体に入っても無症状のこともあります。エンテロウイルスは、手を介してほかの食器や食物にウイルスが移ることで感染していきます。したがって、エンテロウイルスの感染予防のためには、よく手を洗うことを習慣付けることが最も重要なです。